受験勉強をパターン認識っぽくこなしてしまったツケ
思考のクセについてポエム。
数学の勉強をする際に「公式の意味をしっかり考えなさい」と怒られたことはないだろうか。それを無視して公式を覚えて問題を解いて、詰まったら丸ごと解法を覚えるという手段を自分は取っていた。するとある程度量をこなすと、パターンというか定石が見えてくるのでそれを意識しながら細部を調整する。その結果紙面上の問題が解けるようになる。解いているうちに一応公式が言わんとしていることもぼんやりわかる気がしてくる。このような作業から数学が好きになるはずもなかった。教科書の公理や定義には相変わらずアレルギーを感じていた。
この方法でテストの点は悪くないが何も本質を理解していない学生Aが生まれる。そして大学数学にぶち当たる。改めて公式の意味を理解しようとしても全然わからない。一から記号の意味と表している概念を一行ずつ確認するしかない。具体例はない。証明は全然興味がもてない。はい、脱落。
そのまま時が経ち今でも頭で概念に向き合い、仮説を立てていくのは苦手なままだ。この勉強方法を取っていたからできなくなったのか、できないからこの勉強方法だったのかは卵が先か鶏が先か問題だが、数学向きの頭はしていない。今でも悔やんでいることの一つがこれ。
実は上記のやり方を他の様々な教科にも適用していたのでタチが悪い。
というより改めて考えると、全てに似たようなことをやっている。会話、ゲーム、運動、情報収集などなど......
簡単にまとめると演繹的か帰納的かという話だが、帰納特化だったんだなと。演繹的だという人も複数のコミュニティに確認できて、生まれにせよ20年以上の訓練にせよ思考回路が異なっている。自分は帰納的で頭カラッポだったからこそ空気を読むことやアホな会話、作業の効率化などは経験から何とかなってきた。今からでも遅くないと信じてなんとか演繹的思考をやってくが徐々にしか伸びないのだろう。一方で帰納的に情報を大量に集めて分類や学習していく方が向いているのは確かなので、もう開き直ってやっていく。未だ定量化できていないもの、評価関数が人間依存な情報や、人間のバイアスを逆手にとったものを扱っていく方が良さそう。
演繹的に思考するクセがついていない問題点は、概念上での理解が遅いため時間を無駄にすること、二つ目は思考の飛躍が生まれづらいことだ。
一つ目の要点は抽象的な話を現実のケースに当てはめるのが苦手ということになる。そのせいで同じことを複数回繰り返している可能性がある。情報収集する時点ですでに時間を効率的に扱えておらず、試行回数も増やさなければならない。物分かりが悪い人になっている。また具体例をみないと動けない人なので少なくとも具体→抽象→具体の反復横跳びをしていかないといけない。
思考の飛躍については未だ機械が苦手としている課題でますますヒトに求められることであり、帰納的ではどうしようもないなと気づいたのが最近の悩み。全てが後追いになるので自分の感覚も重視していかないとと思う。コードを書くときに既存にあるものはなんとかなるが計算量減少のためのアルゴリズム改良とかは極端に苦手だ。こっちが間違いなく必要なのに。
偏見については演繹帰納関係なく起きそうだが、自分の見える範囲での経験だけで判断してしまうのはよくないということで本や会話によってなるべくデータを集めて判断したい。これはデータ依存の機械学習も大量の情報を扱うことで同じことをしているのでヒトは本質的に劣っているが。世の中の事象を粗い確率で捉えることができるだけでもマシになるはず。
また帰納的とは直接は関係ないかもしれないが、資料を疑ってかかることに慣れていなかった。指導されてようやく論文などの資料はまず疑うということを学んだ。自分よりレベルが高い文章やデータになると、自分の頭で考えることに慣れておらず理解も甘いため額面通り受け取ってしまうクセがある。このクセは直すのに時間がかかりそう。
機械学習やパターン認識について自学していると毎回定義に悩まされ、かつ俺も機械と同じようなことやってんな......と思ったので書いた。
『ロボットは東大に入れるか?』は終わったプロジェクトだが、自分が処理方法としては似たようなプロセスを踏んでいたので問題形式であればいつかは可能だろうという気はしていた。しかし頭いい人たちが厳しいという判断をしたのでそうなんだろう(DNNもまだ画像でしか優位な成果を見せてない気がするし)。 確かに確率的勾配降下法による具体的な手法が思いつかない。例えば、問題自体の解釈というより解答者の教師データを多く集めて問題→解答のプロセスを青チャートなどの参考書で多く踏むとか?と思ったけど解けない人たちと同じところで詰まりそう。医学部の方が定番問題が多いのでまだ楽そうではある。全体として自然言語処理がまずネックなのかな。
下の本はわかりやすかった。RやPythonで、ちょこちょこ実装(という名の検索)しながら読むとそれなりにわかった気になる。自分は慣れてるR。
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雑魚ゆえ案の定、黄色本は途中で挫折したのでまた挑戦したい(必要になるかは知らないが)。ただ入り口から覗いてわかったが機械学習よりも仮想現実やblockchain関連の方がふざけても許されそうな雰囲気なのでヒマな時はそっちにbetしたい。ホントは勉強のためにコード載せて初学者技術メモ的なもの始めたいんだけどどうしても自信がなくて踏ん切りがつかない。誰も読んでない今やるべきなんだよな。ここでつまずいた〜みたいな。3月からやろ。