グラミー2018感想と主要4部門の予想と振り返り
Twitterで呟くよりは文字数が欲しいと思ったのでブログに書く。
今年はブラックミュージシャンが多くノミネートされていて、どのメディアも衝撃と伝えている。今までヒップホップやR&B系が冷遇されてきたことの反動と言えるのではないだろうか。それだけ市場が大きくなり無視できなくなってしまったということなのだろう。昨年Adeleが受賞しても不満そうだったことからの反省かもしれない。当然Adeleも賞に値するミュージシャンだったが。白人正統派ポップスターEd Sheeranが入らなかったこともその影響を受けているのだろうか。
2018年(第60回)グラミー賞の受賞曲とノミネート(動画付き) | 小山守生
http://beta.latimes.com/entertainment/la-et-grammys-nominees-winners-list-2018-story.html
というわけで人種問題や評論家の思惑が渦巻く賞レース。今年はどうなるのだろうか。主要4部門の予想。少なくとも対抗まで出しているので何も無くとも当てたい。
最優秀レコード賞(シングル)
本命 Kendrick Lamar 『Humble』
対抗 Luis Fonsi & Daddy Yankee feat. Justin Bieber『Despacito』
ケンドリックラマーがとるんじゃないか、というか複数とるはずなので(このアルバムよりは前の複数枚の方が好みだが......)。ただラテン系への影響を考えると再生回数も多いし対抗の方になるかも。
最優秀楽曲賞(作詞作曲者に贈られる賞)
本命 Logic feat. Alessia Cara & Khalid『1-800-273-8255』
対抗 Luis Fonsi & Daddy Yankee feat. Justin Bieber『Despacito』
本命は詞で感動したのと3人のバランスがよかったので。対抗はスペイン語でラテンのリズムということで国境を越えたとか流行を作ったとか意味を持たせてきそうな気がしないでもない。曲のクオリティだけだったらJay.Zの『4:44』を推したい。
最優秀アルバム賞
本命 Kendrick Lamar『Damn.』
対抗 Bruno Mars『24K Magic』
複数受賞予想。Bruno Marsは賞レース向きではないと感じるがファンクサウンドに変えてから周りの見方が変化したように思える。Lordeはグラミー受賞者の雰囲気はあるが、このアルバムでは弱いような。Childish Gambinoのアルバムは凄く良かった。
最優秀新人賞
本命 Julia Michaels
対抗 Alessia Cara
グラミー賞主要4部門で一番面白いカテゴリだと思う。他の部門はどうせ有名な人たちだし。
本命はグラミー賞の方々が好きそうだから。対抗は無難に。KhalidはThe weekndっぽいので今回パス。Lil Uzi Vertは好きなんだけど理由づけが難しいかな。
SZAのこの曲めちゃくちゃ好き。
雑記
主要4部門よりも個別ジャンル部門(多すぎぃ!)に、刺さるものが転がってる場合が多いので、興味あるところを見て曲を調べると1年の抜けを補填できていい。Goldlinkは生で見に行ったのでノミネートされてて嬉しい。
このPVは知らなかったけど面白かった。 www.youtube.com
喜多郎さん再度おめでとうございます。シルクロードの曲や長良川の『水に祈りて』はよく聞いてた。1月末に発表があるので暇つぶし程度に答え合わせしたい。向こうの事務所の力関係がわかれば日本のように事前に大方予想はつくのだろうかとはふと書いてて思った。
結果を振り返って(1/30 追記)
最優秀アルバム賞 ― Bruno Mars「24K Magic」
最優秀レコード賞 ― Bruno Mars「24K Magic」
最優秀楽曲賞 ― Bruno Mars「That’s What I Like」
最優秀新人賞 ― Alessia Cara
見事に外しました。恥ずかしい。ケンドリックラマー複数取るのはそこじゃないんや...っていう嘆きとともに言い訳。
Bruno marsの24K MAGICは、ファンクサウンドや1980年代後半のニュージャックスウィングを取り入れているので、冷静に審査員の年齢層を考えると彼がとることに全く不思議はない。
Despacitoを過大評価しまったが、ネットの影響力は加味していない、もしくはラテン系ダンスミュージックはまだNOという判断なんだろう。スペイン語圏からの圧力は今後も続きそうだが。
「ケンドリックラマー」を客観的に捉えるべきだったな。年配ウケ悪いし。 予想では完全に私情を捨てなければいけなかった。「審査員がどう選ぶか」という視点で当てに行くべきという反省を持って終了。
(エドシーラン不参加だし、グラミーあいかわらずよくわからん)
カラオケでラップを歌う時の落とし所はどこだ
前提
カラオケでラップなんて歌うもんじゃない。
基本的に性質としてはアニソンと同じで、オタカラで気のおけない人といった時に歌うのが良い。
なぜ歌うのが厳しいかという問題点を簡単に3点挙げる。ラップはダサいっていう批判は省きます。
- 聴衆が知らない曲が多い
- 歌唱者のラップスキルが低い
- サビがわかりづらい、盛り上がりづらい
対処法として、一つ目はせめてランキングに載ったことがある、アーティスト名は聞いたことがある、といった認知度の高い曲を選ぶのが良いだろう。
知らないとしても歌詞が面白かったり変化が多いとなんとか完走できる。
二つ目に関しては練習あるのみ。歌詞を見ないでも空でリズムは把握している状態にしておきたい。
間違えてもすぐに戻ることができる。
三つ目においてはサビ (Hook) がわかりやすい曲を選ぶとダれずにすむ。
素人のラップは思っているよりもさらに念仏に聞こえてしまうからだ(念仏もよく聞けばおもしろい)。
マイクリレー1をしているものはサビ以外が長いため注意すべきかもしれない。
もちろん周りなんて気にしねーって人は構わないだろうが、自分としてはエチケットを適度に意識していきたい。
というわけで「それでもラップを歌いたい」「他に知ってる曲がないんじゃい」という場合を想定して、妥協点を探る。
下部にリストを挙げていき主観でセーフかどうか◯△をつけていく。一般人からすると全部アウトかもしれない。
※00年代以降でラップがあればOK、HipHopであるかどうかは不問
曲リストには動画リンクを貼る。
アーティスト別
KICK THE CAN CREW ( KREVA ) ◯
最新曲の『千%』はよかった。
KREVAの『音色』『イッサイガッサイ』はそこそこ有名だし歌っぽいのでなんとかなりそう。
KICK THE CAN CREWは紅白にも出てるので有名かもしれないが3人のマイクリレーを一人で行うのは少々ダレる。
同じ理由でRIP SLYMEの曲もちょっと大変。『ココロオドル』も一人で歌うと疲れる。
KOHH △
そもそも出てくる単語が日常的には使わないアウトなものが多い。
『飛行機』は歌モノっぽいのでいいかも。『Junji Takada』は出落ち感がある。
Anarchyも似たような理由で怖いので△。
SALU △
知名度が少しだけ足りないか。
ただカッコいいし歌っぽいのでこの声に似せられれば ?十分射程圏内ではないだろうか。好みが分かれそう。AKLOも似たような理由で△。頑張ってほしい2。
Creepy Nuts ◯
フリースタイル界隈で話題になったので◯。
キャッチーな雰囲気もあって盛り上がりどころもわかりやすいのでは。
櫻井翔 ◎
日本で一番make moneyなラッパー3。認知度も申し分ない。
サビは誰かに任せるのも良い。
有名でラップが面白い曲は『きっと大丈夫』『Believe』『Step and Go』『We can make it』『サクラサク』など。
曲別
『水星 feat.オノマトペ大臣』 / tofubeats ◯
歌いやすい。DAOKO版でも可。ビートの鳴りがカラオケのスピーカーにしてはマシな印象。
tofubeats - 水星 feat,オノマトペ大臣(PV)
『お嫁においで 2015』 / 加山雄三 feat. PUNPEE △
PUNPEEっぽさを出せなければやめといた方がいいと思う。意外に年配の人にウケるかも......?
パチンコのおかげで今の世代にも原曲の認知度は高いか。パチンコやらないけど。
お嫁においで 2015 / 加山雄三 feat. PUNPEE
『今夜はブギー・バック』 / 小沢健二 feat. スチャダラパー △
ラップ部分がちょっとわざとらしさが残ってしまう気がする。
サビは聞いたことあるとは思うので悩みどころ。
小沢健二 featuring スチャダラパー - 今夜はブギー・バック(nice vocal)
『IF』 / DA PUMP ◯
ネタっぽくなっちゃうけど認知度は高い。ネタっぽくなるが。
『See You Again』 / Wiz Khalifa feat. Charlie Puth ◯
なんと洋楽ランキングで常に上位に入っている(Joysound調べ)。
皆Wiz Khalifaさんをどうやって処理しているのだろうか。
そんなに難易度は高くないので適当にやり過ごしている......?
二人で歌って、サビ中に合いの手を入れたい。
Wiz Khalifa - See You Again ft. Charlie Puth [Official Video] Furious 7 Soundtrack
『Lose Yourself』 / Eminem ×
少なくとも中学生時代に誰もが一度は足を踏み入れただろうと信じたいこの曲。
『エミネムさんが教えてくれるシリーズ』好き。
Eminemの声あってこそだと思うので微妙。映画の8mileはバトルしてて面白い。
90年代のシマウマやRhymester達などは少々マニアックな方に含まれるかもと思ったので省いた。般若は謎。
AK-69はそういうキャラならいけるかもというイメージはある。
オタクには愛知ならTOKONA-X歌えやって言われそう。大阪人ならSHINGO西成の『大阪UP』もいいかも。
女の子はちゃんみなとか歌ってるのかな?未開の地すぎてわからない。
あとBIGBANGなどのK-POPグループも取り入れていることが多い。
カラオケは同調圧力と行間に支配された空間なのでマイナー曲を歌うのは憚られるが、そういうものしか耳に入れてない側としては殻を被った上で色を出す技量を身につけておくと一定の安心感は得られる。
最終的には結局気にせずイキって『Swimming Pools』とか入れてしまうがシラける。
『All I Do Is Win』を最初だけやるのは割と楽しいのでオススメ。
アニメをサンプリングして音楽を作る流れについて ~台詞イントネーション作曲/Kawaii future bass
日本で見られる新しい音楽×アニメ文化の流れを中心に感想を書き留める。
台詞イントネーション作曲
台詞イントネーションとは、読んで字のごとくキャラクターなどの台詞のイントネーションから音階を得て作曲する手法である。2014年頃に動画のコメント欄にて提唱され、似た傾向の動画にタグ付けされたことから音MAD界隈の一部にこの言葉が広まった。
ニコニコのタグでできたジャンルみたいだが、クオリティに対して注目度が低い。
www.youtube.com (Youtubeですいません)
上の記事にもあるように古くはimoutoidが試行していた。
自分たちの世代にとって音楽好きの中ではimoutoidはある種の伝説で、早すぎた才能だったのを今でも覚えている。
ああこういう人たちが次世代の音楽を形成していくんだなと(実際にtofubeatsなどはテレビにまで出ている)
近年の世界的に関心を集めているものの一つにFuture bassの発展系、Kawaii future bass(下部記述)があるので、上記のジャンルもこの文脈で語られることがあるかもしれない。
しかしKawaii future bassは曲に台詞をのせるというイメージに対して、台詞イントネーションはその名の通り台詞から曲を構成していっているため、歌モノのようにも聞こえる。
歌に対して曲の音が目立たなくなるのに慣れている、メロディを中心に好む人々にも向いているのではないだろうか。
MAD文化のように著作権など色々問題があるが作り手が増えて声優などがのっかってくれば流行るかもしれない。
2÷すの曲が好み。
Kawaii Future bass
日本人のUjico/Snail's Houseが提唱した名前で、こちらもまた才能の塊。 Future bassに溢れるヒットチャートとネットの海に一太刀を浴びせた1と思う。
自分が解説文を書くよりもわかりやすい動画。 www.nicovideo.jp
あとYunomiとかMoe shopとかは代表的なはず。
Youtubeのおすすめ欄のサムネがアニメ絵の女の子ばっかになることは辛いのでもちろん他ジャンルも聞いて誤魔化すようにはしている。
Future bassってそもそも何だ?って人は最近のPerfumeの『If you wanna』をイメージしてください。希釈されてはいますがあんな感じ。
WikipediaのFuture bassの説明を見るとアーティストの欄に何でもかんでも突っ込んでる感があって若干EDM化している...
(Virtual Riot, Hudson Mohawke, Mura Masa, The Chainsmokersを羅列して大丈夫なのか...)
ChiptuneやLofi hip hopなどもネットで根強いジャンルといえるとは思うが全貌は深すぎてわからない。
ネットに詳しい音楽家の登場が待たれる。
当初は『Vaporwaveは何者だ』っていうタイトルで始めようかと思ったけど文脈からずれるのとそんなに詳しくないためにやめた。
Wikipediaを見てもいつも通りよくわからないし(あれはすでにわかった上で間違いの可能性も加味できる人がさらなる知識を求める、また知識の整理のために使うもの)。
友人が3年前にめっちゃ推してきて良さはわかるがハマるまではしなかった。代わりに山下達郎にはハマった。
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誤用。ここでは文字通り一太刀を浴びせたという意味。↩